UE4から出るUnreal Tournament ことUTがF2PではなくFreeとなった。参照記事はこちら。記事の文は単純に省略しているのかは知らないが、細かく明記されてない部分がある。そのため記事の一部を日本語にした際、曖昧なところは( )で括った。

Freeとは

Freeということには純粋に驚かされた。Freeであるならば課金要素もないはず。ではどこから収入を得るのか。それは下の通り。
We’ll eventually create a marketplace where developers, modders, artists and gamers can give away, buy and sell mods and content. Earnings from the marketplace will be split between the mod/content developer, and Epic.  That’s how we plan to pay for the game.(上の参照記事より引用)
簡単にいうと「開発者、MOD製作者、芸術家(恐らく3Dモデル等のデザイナーのこと) から作られた(UTの)MODや追加要素を買える、つくれば売れる。そしてその収入のいくらかはEpicGamesに払う。」とのこと。これがEpicGamesの収入だ。

さらにMOD開発云々について触れる。

MOD市場の試みはUnityのアセットストアに似ている。Unityとは "一般ユーザーがゲームを出来るだけ簡単に開発出来るように作られたゲームエンジン" であり、アセットストアとは"3Dモデルやグラフィック強化等、ユーザーがさらに簡単に開発できるように追加オプションが売られている場"である。追加オプションのほとんどは他の一般ユーザーが作ったものである。

アセットストアが無くてもUnity対応の3Dモデルは売っていて、無料配布していることもある。それでもこうしたUnity公式の市場を注目されるのは「買う側が探しやすい、導入しやすい。また、作る側が売りやすい、いいものを作る意欲がわく」などの利点があるからだ。


こういったアセットストアのような場がUE4にも展開されるわけだ。ただ状況がUnityとは少し異なる。それは売買されるのが(UTの)MODだ。公式側からMODを盛り上げていこうという意思が見られる。

MODというものはPCゲームを支えてきた重要な要素だ。DayzやCS等のように、あるゲームのMODから独立した存在へと変わったゲームも多い。UEもレッドオーケストラのようにMODから独立したゲームを持っている。

しかしハイスペックで複雑なゲームのMODをつくるのは難しい筈。そもそもMODを使えばマルチプレイを許さない所もある。他にも贅沢で美麗なグラフィックのゲームとなると、対応するMODは無いわけではないが少なくなってしまう印象がある。

こうした中、UE4という次世代の名が似合うグラフィックを存分に見れるエンジンから生まれるUTが、MOD推奨型というのは特別視せざるを得ない。SA化するようなゲームが生まれるだろうか。

ユーザーとの共同開発

さらに驚かされたのはUnreal Tournamentが制作陣とユーザーとの共同開発になることだ。
From the very first line of code, the very first art created and design decision made, development will happen in the open, as a collaboration between Epic, UT fans and UE4 developers. We’ll be using forums for discussion, and Twitch streams for regular updates.(上の参照記事より引用)
簡単にいうと、「開発側が予め作った初期のデザインから、ユーザーと共に公開された状態で開発していく」とのこと。ユーザーがどこまでゲームシステムにくい込めるかは分からないが少なくとも意見が採用されるフォーラムは用意するようだ。開発にはUE4を使う。

ここでUE4の扱いやすさについて触れる。UE4は月額19ドルで使える。これだけで何でも出来ると考えると安い方だ。Unity有料版よりこれを4年使った方が安い。さらにUE4はプログラミングをやりやすくしている。命令をパズルのように配置すればゲームが動いてしまう。プログラミングなしでブロック崩しを制作した実例もある。細かいことは「UE4 ブループリント」で検索してほしい。

UE4自体はゲームエンジンであり、これでつくったオリジナルのゲームは実際に売ることが出来る。

もうひとつ、UE4を持ってなくても話し合いの場には参加できる。

UE4運営の柔軟性

上記二つの出来事には驚かされたと同時に、UTの開発であり、UE4運営であるEpicGamesの柔軟性に感心させられる。

UnrealTournamentはEpicGamesが生み出したブランド品だ。それをユーザーという不確定な要素と共にしよういうわけだ。それでもEpicGamesの判断が間違っているとは言い難い。いくらUTがブランド品といえど、色あせている。最新作のUT3は6年以上前。さらにそのジャンルはスポーツFPS、今ではコアなジャンルになってしまった。この判断は時代の流れに逆らわないものだろう。

UT共同開発は成功率の高い冒険かは分からないが低いとも思えない。MOD推奨はUT、UE4活発化に一役担うだろう。


入出力デバイスが多様化し、いくらかのエンジンが一新されている今、UE4のこの冒険が成功すれば次世代ゲームのあり方に影響を及ぼすかもしれない。かなり大げさな言い方だが、今回のUTの件は筆者にとってそれぐらい衝撃的だった。